岩ちゃんあのね。①
岡庄みかん畑
どうしてみかんってオレンジ色になるの?
みかんって5月に花が咲いて、小さい緑色の赤ちゃんみかんが生まれて、どんどん大きくなって秋になったらオレンジ色になるね。
なんでみかんって緑色からオレンジ色に変わっていくのかな?
むかし、むかし、みかんのおじいちゃんのそのまたおじいちゃんの頃はみかんにも種があって、種から樹になって子供を増やしていったんだ。
タンポポだったら自分の種を風に乗せてどこか遠くへ行くことができるけど、みかんの中に種があって重くて風に乗ることはできないね。
じゃあ、どうやってみかんの中にある種を遠くまで運んでいくのかな?
自分の力では遠くへ行けないから、誰かの力を借りるんだ。鳥や動物、人の力を借りてね。
まだ、緑の頃は種の準備ができてないから、葉っぱと同じ色をして、鳥や動物から見えにくいね。
種の準備ができたら、オレンジ色に変わってきて、空からでも、地面からでもよく見つけられるようになる。
種の準備ができたから、「私を見つけて~。」「私を食べて~。」ってね。
みかんは僕ら人間みたいに誰かを呼ぶことはできないから、オレンジ色になって、食べたくなる味になって誰かを待っているんだね。
誰かに食べてもらって、どこかへ運んでもらって、うんちと一緒に土に落ちたりして、そこから新しい命が生まれてゆくんだね。
だから、種の準備ができていない緑色の頃は酸っぱくって、準備ができたらオレンジ色で食べ頃になるんだね。
岩ちゃんは、そう思うんだ。
子どもの質問ってとってもシンプル。当たり前に思っていることも当たり前ではないことがあるんです。できる限り「そんなん当たり前やんっ!」って答えを返さないようにしてあげたいね。